CloudNative Days実行委員会によるブログ

こんにちは、CloudNative Days Winter 2026(以下CNDW2026)実行委員の KenS です。

CloudNative Days Winter 2026に向けて、続々とプロポーザルが集まっています。

現在公開されているプロポーザルは16件。もちろん、これらはまだ「エントリー済み」の段階であり、採択が決まったセッションではありません。これからさらに新しいプロポーザルが登場する可能性もあります。

それでも、現在公開されている16件の概要を眺めてみると、今年のCNDW2026でどんな議論が交わされる可能性があるのか、何となく傾向が見えてきます

AI Agent、Platform Engineering、CI/CD、SRE、Networking、FinOps、Security。さらに、Kubernetesの内部実装やLinuxカーネル、組織づくりまで。

今回は、現在公開されているプロポーザルをもとに、「もしこんなセッションが採択されたら、今年はこんな話が聞けるかも?」という5つのトレンドを覗いてみたいと思います。

1. AIで「やってみる」から「どこまで任せられるか」への変化

2026年の技術カンファレンスで、AIの話題を避けて通ることは難しいでしょう。

CloudNative Days Winter 2026のプロポーザルにも、AI Agentを扱う内容がいくつも登場しています。概要を読み比べてみると、ある変化に気付きます。

  • AI Agentにコードを書かせるなら、その品質をどう検証するのか
  • AIに本番運用を任せるなら、どんな失敗が起こり得るのか
  • 12,000件の監査結果について、何をAIに判断させ、何を人間へ戻すのか
  • CloudWatch Logsのコスト最適化について、どこまで自動化し、どれについては人間の承認が必要なのか
  • 決済のように「成功したのか失敗したのか分からない」という曖昧な状態で、AIの判定をどこまで利用するのか

これらのプロポーザルから見えてくるのは、「AIに何ができるか?」という問いから、「AIにどこまで任せてよいのか?」という問いへの変化です。

焦点は、AIの能力そのものだけではありません。AIと人間の境界をどのように設計するかです。

もしこれらのセッションが採択されれば、Cloud Nativeの現場でAIを「実際に業務を任せられる存在」にしていくための議論を聞けるのではないでしょうか。

2. Developer Experienceの次はAgent Experience?

Platform Engineeringにも変化が起きそうです。これまでPlatform Engineeringでは、開発者がインフラや共通基盤を簡単かつ安全に利用できるようにするDeveloper Experienceが重視されてきました。ところが、現在公開されているプロポーザルを見ると、さらにその先の課題が登場しています。

これまでPlatformの利用者として想定されてきたのは、人間のDeveloperでした。しかし、これからAI AgentもPlatformの利用者になるとしたら、どうでしょうか。

  • リポジトリ構成はどうするか
  • ドキュメントはどうするか
  • APIやSchemaはどこに置くか
  • 権限をどう渡すか
  • AIが生成したものをどう検証するか

といった課題が見えてきます。Developer Experienceだけでなく、「Agent Experience」までPlatform側が設計する。そんな時代が始まっているのかもしれません。

3. Platform Engineeringは「大きなPlatformを作ること」なのか?

Platform Engineeringについては、対照的な提案もあります。あるプロポーザルでは、最初から重厚なIDPを構築するのではなく、小さなツールからPlatform Engineeringを始めるアプローチです。一方、別のプロポーザルでは、実際にBackstageをIDPとして運用し、統合的なPlatform Engineeringを行っています。

両者の実装方法は違っていても、問いは共通しています。

「専門家しかできなかった操作を、どうすれば他の誰かへ安全に任せられるのか?」

その「他の誰か」には、今後AI Agentも加わるのでしょう。単にPlatformを作ることではなく、「安全なセルフサービスの境界」を設計するPlatform Engineeringのあり方が見えてきています。

4. AI時代だからこそ、抽象化を支える技術に目を向けてみる

一方で、今年のプロポーザルはAI一色ではありません。AIやPlatformによってさまざまな技術が抽象化されていく一方で、その抽象化を下支えする具体的な技術を掘り下げるプロポーザルも複数提出されてています。Kubernetesの内部、さらにはその下のLinuxカーネルでは実際に何が起きているのか。AIがコードを書き、Platformが複雑な操作を隠してくれる時代だからこそ、その下で実際に何が起きているのかを知る。これもCloudNative Daysの醍醐味ではないでしょうか。

5. 「うまくいきました」だけじゃない。壊して、失敗して、測った話

現在公開されているプロポーザルを眺めていて、もう一つ印象的なのが「実測」です。成功したアーキテクチャを紹介するだけではなく、意図的に壊して限界を計測する。あるいは失敗を観測する。そして、そのフィードバックをもとに設計を変える。もし現在のプロポーザルが採択されれば、そうした「実際にやってみたからこそ分かった話」をいくつも聞くことができるかもしれません。

Cloud Nativeは「委譲を設計する技術」になっていく?

ここまで現在の16件を眺めてみると、「任せる」という言葉が何度も登場します。

  • SREだけができた操作を、開発者へ任せる
  • 人間が行っていたデプロイ判断を、CI/CDへ任せる
  • コードを書く仕事を、AI Agentへ任せる
  • 大量の監査結果の判定を、AIへ任せる
  • そしてPlatformそのものを、AI Agentにも使わせる

Cloud Nativeはこれまでも、Infrastructure as Code、CI/CD、Kubernetesなどを通じて、人間が行っていた様々な作業をソフトウェアへ委譲してきました。

AI Agentの登場によって、その対象が人間の作業だけでなく、判断にまで広がろうとしています。

だからこそ、何を任せ、何を任せないのか。どこまで自動化するのか。失敗したときに、どこへ戻すのか。そして、最終的に誰が責任を持つのか。そうしたガードレールの設計が、これまで以上に重要になります。2026年のCloud Nativeは「何を自動化できるか」から「どこまで安全に委譲できるか」へ。現在集まっているプロポーザルからは、そんな変化も感じられます。

さて、どんなセッションが採択されるのでしょう?
  • AI Agent、Platform Engineering、CI/CD、SRE、Networking、FinOps、Security。Kubernetes Scheduler、overlayfs、Linuxカーネル…
  • 負荷テスト、組織づくり…
  • 抽象化と具体的な実装…
  • 人間が介在しないHuman on the loopと、人間をあえて残すHuman in the loop…
  • 成功事例と失敗事例…

もしこれらのプロポーザルが採択されれば、今年も多様なCloud Nativeの世界を垣間見ることができそうです。

ただし、ここで紹介した16件は、あくまでこの記事の執筆時点で公開されているプロポーザルです。まだ採択が決まったセッションではありません。これから新しいプロポーザルが登場すれば、ここで想像した景色とはまったく異なるCNDW2026になる可能性もあります。

そして、まだプロポーザルを出していない皆さん。

現在の16件を眺めてみて、「今年はまだこのテーマが足りない」と感じたのであれば、あなたのプロポーザルが、その足りないピースを埋めることになるかもしれません。

ぜひ、プロポーザルにチャレンジしてみませんか?

というわけでCloudNative Days Winter 2026は現在プロポーザルを募集しております!
初めて登壇する方も大歓迎!
あなたの知見や取り組みを1000人のエンジニアに届けませんか?
★応募締切り 9/21(月)
★募集要項はこちら👉️ https://cloudnativedays.jp/cndw2026/cfp

CloudNative Days Winter 2026で、どんなCloud Nativeの話が聞けるのか、今から楽しみに待ちましょう。

スーちゃん
トゲくん

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